社長の「自分が一番だ」という固定観念の怖さ
|カテゴリ:企業経営とコーチング
このコラムを開いてくださった方は、現状の自分に満足せず、常にマインドと行動を変革することの大切さを知っておられると思います。その時点で、すでにこのコラムを読む必要はないかもしれませんが、せっかくページを開いてくださったので、社長が「自分が一番だ」「わが社が一番だ」と思っていることの怖さをお伝えできれば思います。
まず、私自身がそうだったのですが、社長はいつの間にか固定観念ができてしまい、柔軟性を失いやすい生き物だと思います。現在でもコーチングをしながら、自分自身の考え方が固まっていたことに気づかされることがあり、日々反省です。
固定観念でがんじがらめの社長像とは?
固定観念でがんじがらめの社長はどのような社長でしょうか? まず言えることは、「素直でない」と言えます。例えば、何か経営に関するアドバイスを受けたとしても、そのアドバイスが聞こえないのか、弾いているのか、「そんなことは分かっている」とばかり、受け入れることができません。「そのようなアドバイスをするが、ウチの業界のことを知っているのか?」という具合に反発心が起こることもあるでしょう。
コーチやコンサルタントに対しては、そのような反応をしないとしても、社員からの諫言に対してはいかがでしょうか?
固定観念のコリほぐすには?
人の話を聞けない社長は、やはり失敗して痛い思いをし、自らの能力の限界を反省するまでは、なかなか固まった考え方を変えることが出来ません。
私はそのような場合、コーチングのなかで、「このままいくとどのような失敗をするか」を予めお話しておき、そして実際にその通りの失敗をして、聴く耳を持つようになってくださってからアドバイスをするようにしています。
もちろん、アドバイスはタイミングが大事であり、致命的な失敗をしてしまってからのアドバイスは無意味です。しかし、ある程度の失敗をした後でないと、アドバイスを受け入れてもらえないこともよくあることなのです。
このように、失敗するということが、固定観念の“コリ”をほぐすための役に立つことがあります。しかし、やはり責任ある社長としては、「転ばぬ先の杖」で会社経営をしていきたいものですね。
三国志の袁紹に見る諫言への対応
「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ。」という名言にしたがって、三国志に出てくる袁紹という人物のエピソードを引いてみたいと思います。
このエピソードから、「自分が正しい」という固定観念を持ったリーダーの怖さを感じることができるのではないでしょうか?
大勝した曹操は?
それに対して、官渡の戦いで勝利した曹操軍は、不利な状況にあったにもかかわらず、勝利を収めました。曹操は「乱世の奸雄」と呼ばれ、悪役扱いされることが多いのですが、その性格は、部下からの諫言をよく受け入れ、自らの言動や行動を反省することもあったようです。だからこそ、彼の周りには多くの優秀な部下が集まりました。自らの固定観念を壊していく力があったのです。その結果、三国志の三大勢力のなかで、最も人材の厚みのある魏の国を築いていくことになります。
袁紹と曹操の違い
袁紹と曹操の大きな違いは何でしょうか? その根底には、袁紹には「自分が一番だ」という固定観念があったからだと言えます。実際に、袁紹は曹操と比べると名家の出身ですし、軍事力も兵糧も勝っていました。
「自分が一番だ」というマイナスの固定観念
自信を持つことは、成功するために絶対に欠かせない重要な要素のひとつですが、それも“間違った自信”は成功を妨げるマイナス要因になります。「自分が一番だ」と思い込んでしまうとどうなるのでしょうか?
袁紹の故事にもあったように、会社の未来のことを考えてくれる優秀な部下の意見を聴くことが出来ないでしょう。もしかしたら、袁紹のように腹を立てて解雇してしまうかもしれません。競合他社が着々と力を付けて追い上げ来ることを直視できなくなるかもしれません。
事業環境は、変化が基礎になっている
世界中で億単位の人びとが日々に向上を目指して努力し、競争のなかで切磋琢磨しているのですから、あらゆる事業の土台は日々に変化しています。基礎自体が毎日変化しつづけています。
ですから、今日「わが社が一番」だとしても、明日、半年後、一年後は分りません。下りのエスカレーターに乗っているように、現状維持は即脱落を意味します。
だからこそ社長は、自分や会社の短所を指摘された時に、「相手は素人だけれども、他人から見たら、そういうふうに見えることも事実なんだ」と素直に受け入れ、すぐに修正をかけていける柔軟性こそが、成功を持続するためにとても大事です。
そして一方では、根本の部分で「それでも、わが社が一番だ」と思える自信の「根拠」が必要です。それが、わが社の価値観を表した本物の「経営理念」です。
この本物の自信を根底にもっていれば、その理想を実現するためになら、いくらでも変わっていける柔軟性が出てくるのです。諫言や批判に遭って反発してしまう固定概念は、ちょうど壁に当たって割れてしまうせとものの器のようなものです。そうではなく、壁にぶつかってもすぐに丸い姿に戻るゴムボールのような柔軟性をもって諫言や批判を受け入れる器をつくってこそ、多くの人がついてくる徳が生まれてくるのだと思います。
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