社員の士気を高める良好なコミュニケーション

|カテゴリ:企業経営とコーチング


社長と社員との間でコミュニケーションが難しい根本理由

社長と社員のコミュニケーションが良好になると、社長が持つ積極的な成功のイメージを社員全員が持つようになり、社員の士気が高まります。社長と社員の間に良好なコミュニケーションを築くためには、乗り越えなくてはならない壁があると思います。そこには、社長と社員の立場の違いがあります。

社長が担っている責任の重さは社員には分かりません。社長が夜も眠れずに未来を拓く一手を探し求め、経営課題について考え続けている一方で、どれほど仕事に責任感の強い社員でもそこまでは考えていないもので、夜はぐっすりと眠ることができます。たとえ志を共にする副社長や専務という立場の幹部でさえ、社長一人が背負っている重圧のすべてを共有することはできません。

社長と会社は一体のようなものですが、多くの会社では、社員たちにとって、自分個人の夢や将来設計と会社の仕事が必ずしも一体ではありません。このように、そもそも立っている土俵の違いが、社長と社員のコミュニケーションを難しくしている根本的な原因ではないでしょうか。

このコラムでは、社員の士気を高めるため、社長と社員との間で良好なコミュニケーションを取ることについて述べたいと思います。

コミュニケーションの本質とは

ここで、コミュニケーションの定義について考えてみたいと思います。

コミュニケーションの語源はラテン語の “communicare” で、「分かち合う」とか「共有する」という意味の言葉です。つまり「言葉などを通じて意思を伝達し、お互いに通じ合うこと」です。

経営発展コーチングでは、「コミュニケーションの本質とは、良き変化をもたらすこと」と考えています。

その形式を問わず、人と人とのやり取りはすべてコミュニケーションです。一対一の会話から始まり、ミーティングや会議などの双方向の対話はもちろん、発表やスピーチという形で一方から物事を伝える行為、広告を使って顧客を集めることもコミュニケーションと言えます。すべてのコミュニケーションには、成功と失敗があります。

良き変化が起こらないなら、それはコミュニケーションが成功していないことを意味します。何らかのコミュニケーションを図った結果、状態が悪化するのであればなおさらです。

企業におけるコミュニケーションとは

そう考えると、コミュニケーションに成功する社長こそが、成果を上げ、会社を発展させることができると言えます。なぜなら、成果を上げるには、他の人の好意と協力を得て、より良い変化を生み出してゆくことが必要だからです。つまり、企業におけるコミュニケーションは、「直接的であれ、間接的であれ、業務に関する情報を共有し、お互いに良き変化をもたらすこと」と言えると思います。

ところで、会社でのコミュニケーションで問題となるのは、社長から社員へ、もしくは社員から社長へ、または社員同士で、何かを要望したり相談したりするときの意思疎通です。

組織内では「あの人とはコミュニケーションが取りにくい」という言葉もよく聞かれますが、コミュニケーションは会社の内外の人間関係を良好にし、仕事を円滑に進めるために重要なものです。

また、業務上の指示・命令もコミュニケーションに含まれます。ここでも、よいコミュニケーションが築けていて、人間関係が良好であるほど意思疎通しやすいことは確かです。

このような社内でのコミュニケーションを円滑にするために、会話の仕方や指示の出し方、メモ術やメールのやり方など、さまざまな手法が書籍に書かれています。それらを学び、社長自らがコミュニケーション力を高めることは大切だと思います。

なぜなら、社長をはじめ、役職のあるリーダーは、部下の人たちを良い方向に導く役割を担っているからです。

社長がコミュニケーション・スキルに熟達すると、社員たちの潜在能力を開花させ、成長を促す力が湧いてきます。そして、まわりの多くの人が協力者に変わることを実感するでしょう。

良好なコミュニケーションと社員の士気向上

では、社長と社員全員の間で良好なコミュニケーションが取れると、どのような良いことがあるでしょうか。

それは、「社長が持つ積極的な成功のイメージを、社員全員が持つようになる」ということです。

発展する会社は、そこに行くと空気感ですぐに分かります。そういう会社では、社員一人ひとりが生き生きとしていて、社内が明るく、社員たちが希望を持って働いています。社員全員が希望にあふれて生き生きと働いていると、そこにはすごいエネルギーが生まれます。そういった状態が、社員の士気が高い状態だと言えます。

日々の仕事のなかではもちろん失敗もあります。しかし、全員が創り出すプラスのエネルギーで会社が満ちていたら、その失敗を打ち消してしまいます。そのような意欲の高い社員が集まった会社が発展しないことはあり得ないでしょう。

古来、すべての軍隊にとって、生命を懸けた戦いに勝利するために最も大切なのが「士気の高さ」でした。それは会社にとっても同じように重要なものなので、良好なコミュニケーションを築くことは、社員の士気を高める大きな要因となります。

このように、社長が持つ積極的な成功のイメージ、発展への希望が社員全員に伝わって、プラスのエネルギーに満ちた士気の高い状態こそが、コミュニケーションが築かれた理想の会社であると言えます。

コーチングのスキルとコミュニケーションの関係

コーチングでは、さまざまなコミュニケーション・スキルを駆使します。コーチングの基本的なスキルについては、コラム「コーチングとは?」をご覧いただけたらと思います。

「コーチングとは?」では、コーチングの基本スキル1.傾聴、2.質問、3.フィードバックをご紹介しています。この3つの基本スキルは、コミュニケーションを円滑にするスキルです。社長や社員がこれらのコミュニケーションの基本スキルを習得されるだけでも、社内でのコミュニケーションが格段に良くなります。

また、機会がありましたら、社内で良好なコミュニケーションを取るための手法について、あらためて詳しく述べたいと思います。

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