ネット営業とリアル営業の連携の大切さ

|カテゴリ:売れるホームページ制作


あるクライアント様との出来事

2012年のことでした。Webマーケティング・コンサルティングのクライアント様の中で、「ネット営業で集客ができるようになったが、リアル営業のクロージングができない」という会社がありました。

そのとき、私はネット集客には自信があったのですが、リアル営業のことが頭になかったことを反省しました。

私は「Webマーケティングの手法を駆使して、売れるホームページを制作する」サービス提供をしてきましたが、これをきっかけにDTPや飛び込み営業について勉強を始めました。

デザインを美しくするよりも、売れるホームページを作ることを重視していたのですが、このときに何人かのデザイナーさんとも知り合い、デザインについていろいろと学ぶことができました。その中の何人かとは、いまだに仕事でつながっています。

また、そのときの経験により、Webマーケティングだけでなく、営業コンサルタントやコーチングの先生とアライアンスを組み、本格的にコンサルティング会社を立ち上げようと考えて、コンサルティングファームを設立しました。関山先生との出会いがあったのもこの頃ですが、私にとっては人生の転換期でした。

営業の本質

昔話はさておき、営業にはいくつかの手法があります。ネット営業は、営業の手法の中の一つです。他には、主に来店型営業、飛び込み営業、ルート営業などがあります。

健全な会社は粗利益を上げることで生きています。その粗利益は、お客様からしか得ることができません。お客様の役に立つ商品やサービスがあるなら、営業をしっかり行うことができるようにすると、粗利益が得られ、会社が「継戦」できるようになります。

マーケティングには、3Cという考えがあります。3Cとは、「お客様(Customer)」「競合他社(Competitor)」「自社(Company)」の頭文字を取ったものです。市場では、競合他社とお客様を取り合っているわけです。そして、当然のことですが、お客様が必ず自社の商品やサービスを購入してくれるという保証はありません。いくら良い商品、良いサービスを提供していても、営業を行い、自社の存在を知ってもらい、実際に購入に結びつかなければ、会社はジリ貧です。

では、営業とは何でしょうか?

「商品やサービスを売ること」と答えられる方が多いと思います。その答えは間違いではありませんが、正解とは言えません。商品やサービスを売ることは「販売」という言葉が適切で、「営業」の一部なのです。

営業には、販売の他にマーケティングや事業計画の一部を含みます。また、顧客フォローによるリピーターづくりも営業に含まれます。

ネット集客ができてしまうことの怖さ

さて、ネット営業の話に戻します。

ネット営業は、売れるホームページを制作することが主体ですので、リアル営業と比べて手っ取り早く取り組むことができ、コストがかかりません。また、ネット営業で失敗しても、リアル営業での失敗ほど精神的ダメージが小さいなど、さまざまなメリットがあります。しかし、ネット営業だけに力を入れて、リアル営業に全く力を入れないことを考えてみたいと思います。

例えば、ECサイトで通販をしていて、リアル営業を一切行わない会社のことを考えてみてください。その会社の存続は危ういのではないでしょうか。

  • Googleからペナルティを受けた
  • 大手のECサイトが参入してきた
  • サーバーがダウンした
  • ネットがつながらなくなった

こういったことで、簡単に会社の売上や利益がダウンする恐れがあります。ですから、やはり、ネット営業だけに頼るのではなく、リアル営業にも力を入れていくべきだと考えます。

リアル営業に力を入れた会社の強さ

当社の支援によって、ネット集客を行い、きちんとクロージングができている会社の共通点を見ていると、必ずと言ってよいほど、リアル営業にも力を入れています。

リアル営業に力を入れている会社の中には、ゴリ押しで販売する会社と、品位ある会社があります。

品位ある会社は、社内体制がしっかり仕組み化されていて、社員の対応にも品位があります。社員の対応に品位がある会社は、顧客から信頼されていますし、社長も立派です。

リアル営業に力を入れている会社は、もしネット集客に何らかのトラブルが発生したとしても、リアル営業をしっかり行っているので、ダメージが小さくなります。

「リアル営業が苦手だから、何とかネット営業で活路を見出したい」とお考えの社長は少なくないことでしょう。ECサイトで販売できる商品であれば、営業担当がお客様に直接対応する場面が少ないので、ネット営業を強化すれば、売上をアップできる可能性がありますが、お客様に満足を与え、顧客維持を図るためには、最後は人の力が大きく働きます。

また、リアル営業によるクロージングが必要な商品・サービスであれば、リアル営業の改善も同時に行うことが大切です。

ネット集客に成功して没落する可能性

ホームページを制作して、ネット集客に成功をしたとして、もしリアル営業が落第点だった場合はどうでしょうか。

その答えが、単に「クロージングができなかった」ということだけであれば、まだ良いのですが、お客様からの信頼を失って、「あそこの会社はダメだ」と噂が立ってしまい、会社が没落していく可能性があります。

ある物流会社の実話

関東地方のある物流会社の社長が営業を強化し始めて失敗した話があります。

会社の業績が悪くなり、何とか売上高を回復させたいと、社長が腹をくくり、飛び込み営業を行うようになりました。中堅クラスの会社にも飛び込み営業をし、あまりにも熱心でしたから、お客様は「ひとつ物流の仕事を依頼してあげよう」と思いました。後日、その会社に仕事の依頼をすべく電話をしたときに、事務スタッフが受話器を取りました。

お客様「もしもし、〇〇社長はいらっしゃいますか?」
従業員「え?だれ?」
お客様「△△の□□と申します。」
従業員「で、何の用事?」
お客様「以前に、わが社に〇〇社長が訪ねてこられて、そのお話で。」
従業員「いまいないよ~。また掛けてきて。」
お客様「はい、では失礼します。」

この会話は、2年ほど前に本当にあった話です。この会社の社長は、その後、道を歩いているときに、その電話をしてきたお客様と偶然にバッタリ出会いました。そして、そのお客様から「社員の電話対応に腹が立ち、仕事の依頼を止めた」ことを聞かされたのです。

社長はこの時、従業員を育成するという社長としての仕事ができていなかったことを思い知ったそうです。

ネット集客が成功して、お問い合わせの電話がかかってきたとき、もし、電話に出たスタッフがこのような対応をしているとしたら、それは大変なことです。

この例では電話対応のことについて述べましたが、販売戦術では電話以外にも、業務の流れをスムーズにして、商品がお客様の手元に届くまでのリードタイムを短縮したり、請求・入金処理に手違いがないようにしたりと、多岐にわたる業務を改善していく必要があります。

優良企業への道は、正しい経営理念の構築と浸透から

ネット営業で成功するためには、リアル営業の強化を同時に進めることが大切であることを述べました。

その中で、Webコンサルタントと営業スタッフが連携を取れるようにすることも大事です。

私がいくらネット集客を頑張ったとしても、営業スタッフが「また社長が何かやってるよ」と、冷めた目で見ているようでは、ネット集客が無意味になりかねません。

ネット営業を強化するためには、営業スタッフをはじめ、全社一丸となって営業に力を入れていくという決意が大切です。

そして、全社的に決意を固めるためには、まず、本物の経営理念を構築し、それを全員に浸透させることを行うと、非常に成功しやすいことが実証されています。

社長の熱意を言葉として伝え、スタッフ全員が「社長の熱意は本物である」と思えたときに、会社に一体感が出てきて、全社で営業改善に取り組むことができるのです。

ネット営業とリアル営業の連携

次に、ネット営業で成功するためのリアル営業との連携について考えたいと思います。次の図は、コンサルタント会社がネット営業を行う場合の例ですが、この図がすべてを語っています。

営業の敷居を下げクロージング力を高めるための細分化の例

左側の崖を上っている図は、まったく面識もない人が、ネット検索でホームページに訪れ、そのままコンサルティング契約をするのには、敷居が高いことを表しています。

右側の階段の図は、その高い敷居を細分化しています。まずホームページで資料請求をしてもらい、セミナーにお誘いし、お礼状を出してフォローを行います。そのフォローに対して、「コンサルティングの体験を受けませんか?」と問いかけ、個別相談から短期契約に結び付けます。そして、その成果が確認できたところで長期契約のご契約をいただける、という流れです。

この階段のような細分化はひとつの例ですが、契約に結びつけるために有効です。

しかし、もしこの例の通りに実施しようとしたら、Webマーケティング・コンサルタントの力だけではどうしようもありません。

まず、最初の階段の「資料請求」でどのような資料を作成すべきなのか。セミナーはどこでどのように行うべきなのか。そのときに話す内容や、配布資料はどのようなものであるべきなのか。セミナーでの顧客対応はどうするのか… などなど、前半の階段だけでも、多くのホームページ以外の打ち合わせが必要になります。

このように、本当に営業を成功させようとしたら、ホームページの仕組みだけでなく、営業の仕組みも見直さなければいけませんから、必ず社長の決済が必要になり、また営業担当との連携を取らなければなりません。

以上のように、ネット営業のことだけでなく、経営理念の構築や営業の仕組みづくり、経営の改善までをご支援できるのが、Full Bloomの特長です。

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